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文系演習・問題意識の授業を行って感じたこと

大学院クラスでは、建築家、デザイナー、アートディレクター、画家、音楽家、詩人、実業家、教育家といった文化人の書いた文章を読む授業を行ってきました。口頭発表を行う文系演習と、作文を行う問題意識です。
 今年度から、この2つの授業を同じテーマで続けて行うようにしました。この2つの授業の目的は、次の通りです。
 
  ➀
研究計画の仮説を生み出すのに必要な問題意識を高める。
  ➁自分の考えを口頭で、また文章の形で、仲間や教師に伝える技術を身につける。
  ③仲間の考え、教師のコメントを聞いたうえで、自分の考えを補強したり、修正したりする姿勢を身につける。
 
 文系演習の発表用紙には、
2つのことを書きます。文化人の考えに対して感じたことと、自分自身のことです。
 これに対し、問題意識の作文用紙には、友人の言葉が掲げられています。それを受けて、友人に返答する内容を書きます。つまり、文系演習の時間に学んだこと、考えたことを、友人という他者への言葉に生かそうとする姿勢を身につけることが、問題意識の授業の目標なのです。
 
 院
21Aクラスでは、担任の長谷川先生が文系演習、藤戸先生が問題意識を担当されています。この週読み合わせたのは、前衛芸術家の草間彌生の文章でした。テーマは、「自分が生きていることの証」。
 授業を行って感じたことを、長谷川先生が文章にしてくださいました。
 
この週のテーマについて感じたこと
 草間は、「私は人の影響を受けたことがありません。自分自身の芸術を信じているからです。」と天才芸術家らしい言葉を記す一方で、「芸術家が特に偉くぬきんでた人種なわけではない」と述べています。どんな仕事に就いていようと、自分の仕事をやり遂げ生命の輝きに一歩でも近づけた時に、自分が生きている証を残すことができるのだと説いています。「芸術を持って闘い続ける自分と、より多くの人々が、同じ気持ちで毎日を生き抜いてほしい…。」学生たちは何を持って闘い、生きている証を感じるのでしょうか。
 
発表の授業を通して感じたこと
 草間さんの言葉に自分の信念との共通点を見出し、勇気づけられた学生が多かったようです。他者とのかかわりの中から自分の価値を見つけた時、「生きている証」を感じ取ったという内容が多く、そのような経験が彼らの自信となり将来の道へとつながるのではないかと感じました。また、思考を通じて自らの世界を深めることに生命が輝く瞬間があると述べた学生もいて、大学院クラスの学生らしい考えだなと感じました。
 
問題意識の先生とのやりとり
 発表の授業とは別の日に、同じ題材ですが異なる視点からの質問が記された作文用紙に向き合います。担当の藤戸先生が毎回、学生の作文にコメントを添えてくださっています。
 藤戸先生は、「学生の作文を読んでいると、学生が日ごろ考えていることや興味を持っていること、悩んでいることなどが作文から垣間見えることがあり、授業中には見られない学生の一面を知る良い機会になっていると感じます」と感想を述べてくださいました。
 
印象に残った作文
 最後に、印象に残った学生の作文を紹介します。この週の作文用紙に書かれた質問は、「あなたの友人から、「現代社会は競争社会だから、自分の道を突き進むことは難しいよ」と言われたとします。あなたは、どう答えますか?」というものでした。
 社会学の研究を志している女子学生は、次のように書きました。
 
<社会の流れに流されたくないから、私は自分の道を選んだ。人生はみんなそれぞれだけど、社会の波にうまく溶け込むだけなら勝利者とはとても言えない。それは上手に自分の人生を生きているのではなくて、うまく他の人と同じ人生を過ごしただけだと思う。だから、難しいとか簡単だとかの問題ではなくて、私の人生を私の色で染めたいから、この道を貫く以上の良い選択はないよ。>(ゲンメイギ)
 

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by hinokigaigo | 2021-10-29 16:58 | ひのきの作文授業