武士道とは、知識を重んじるものではなく、行動を重んじるものだ。
武士道とは、正しい善悪の判断ができること。「天子よりもって庶民にいたるまで、いつにこれをみな身を修めるをもって本と為す。その本乱れて末(国家)を納める者は、あらず」。つまり、人間の良心に基づいた正しい善悪の判断ができない人、つまり利潤や欲望に負けてしまうような人では、家族も国家も治めることはできない、ということである。
『武士道』(新渡戸稲造著)は多くの人に読まれた。米大統領、セオドア・ルーズベルトもその一人である。
そして、台湾の総統の李登輝もその一人である。その李登輝氏が書いた本こそが、『「武士道」解題』である。彼が、日本人の精神である武士道を、あえて現代の日本人に日本語で書いたのは、この日本では伝統的な精神の武士道を忘れ去られてしまわずに、実践するように、日本人に自信を持って行くようにとのエールであったのではないだろうか。
この『「武士道」解題』を通して、同時期同時代の内村鑑三の『代表的日本人』、朝河貫一の『日本の禍機』などを読むことで、視野が広がると思う。李登輝氏に話を戻すと、著作の中で、「衣装哲学」についても触れている。
大学の専攻は「農学」。国民をどのように食わせていくか、大局から俯瞰して、公を重んじた、まさに「武士」のような方だと言える。補足すると、『武士道』の著者、新渡戸稲造は、アメリカで農学博士号を取得。その後、台湾での農政(砂糖産業など)を推し進めていくのであった。李登輝氏は、後藤新平、新渡戸稲造の系譜を引く、元日本人であった。
単なる日本の古典としてではなく、いろいろな読み方ができる『武士道』を理解するためにも、この本をおすすめしたい。(桃井)
*李登輝著『「武士道」解題』(小学館文庫)、小学館、2006年。

武士道とは、正しい善悪の判断ができること。「天子よりもって庶民にいたるまで、いつにこれをみな身を修めるをもって本と為す。その本乱れて末(国家)を納める者は、あらず」。つまり、人間の良心に基づいた正しい善悪の判断ができない人、つまり利潤や欲望に負けてしまうような人では、家族も国家も治めることはできない、ということである。
『武士道』(新渡戸稲造著)は多くの人に読まれた。米大統領、セオドア・ルーズベルトもその一人である。
そして、台湾の総統の李登輝もその一人である。その李登輝氏が書いた本こそが、『「武士道」解題』である。彼が、日本人の精神である武士道を、あえて現代の日本人に日本語で書いたのは、この日本では伝統的な精神の武士道を忘れ去られてしまわずに、実践するように、日本人に自信を持って行くようにとのエールであったのではないだろうか。
この『「武士道」解題』を通して、同時期同時代の内村鑑三の『代表的日本人』、朝河貫一の『日本の禍機』などを読むことで、視野が広がると思う。李登輝氏に話を戻すと、著作の中で、「衣装哲学」についても触れている。
大学の専攻は「農学」。国民をどのように食わせていくか、大局から俯瞰して、公を重んじた、まさに「武士」のような方だと言える。補足すると、『武士道』の著者、新渡戸稲造は、アメリカで農学博士号を取得。その後、台湾での農政(砂糖産業など)を推し進めていくのであった。李登輝氏は、後藤新平、新渡戸稲造の系譜を引く、元日本人であった。
単なる日本の古典としてではなく、いろいろな読み方ができる『武士道』を理解するためにも、この本をおすすめしたい。(桃井)
*李登輝著『「武士道」解題』(小学館文庫)、小学館、2006年。

by hinokigaigo
| 2020-08-18 10:54
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