鈴木孝夫著『ことばと文化』、『日本語と外国語』

 外国語を学ぶ人が最初の段階でぶつかるものは、ことばの壁と文化の壁ではないでしょうか。留学生は、見慣れぬ日本に来て、ことばが通じない、やり方(文化)が違うという場面によく出会うと思います。

異文化といっても、文化の違いは日常の中にたくさんあります。異文化を理解するには、「違う」ということと「間違う」ということを区別しなければなりません。

 

「違う」とは、自分と相手が「同じではない」ということで、そこから理解が進みます。しかし、「間違う」というのは、相手を「間違いだ!」と非難することなど、優劣をつけ、排他的になり、自己中心的になりがちです。

自分と他人が「違う」ことは認め、相手が自分と違うから「間違っている」という考え方は改めなければなりません。相手を理解することから、ことばと文化の学習が進むと私は考えています。

理解するは、英語ではunderstandといいますが、語源は under+standというように、相手を上から目線で見るのではなく(=under)、同じスタンスで相手と接する(=stand)ことだと言えます。

 

私の興味を異文化に向けさせ、また日本語や日本文化にも興味を持つきっかけを与えてくれた本があります。鈴木孝夫氏の『ことばと文化』『日本語と外国語』(いずれも岩波新書)です。

当時慶応大学の教授だった鈴木は、著書の中で、異文化理解を分かりやすく説いています。ことばやその背後にある考え方(文化)について、具体例を挙げ分かりやすく説明しているもので、日本語と外国語を対比させつつ、それぞれがうまく対応しない例を引き合いに出しながら、その「違い」をまとめています。例えば、鼻⇔noseだが、truck(象の鼻)となる場合もあるとか、H2Oは水でもあるが、湯でもあるということ。また、虹の色(や数)が国によって異なるというのも大きな驚きでした。

 

留学生の皆さんにとっては、日本語や日本文化という異文化を感じることがあるでしょう。そんなときに、異文化とは何かということを考えるきっかけを与えてくれる本です。

 是非一度読んでみてください。そして、よかったら、感想を教えてください。

  (桃井)


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by hinokigaigo | 2017-08-21 09:44 | おすすめの図書