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中級指導

中級クラスのカリキュラム

中級クラスの目標は、進学するために必要な日本語力をつけることです。本校では、1年次の中級テキストとして、『わたしの見つけた日本』、『日本への招待』を、2年次の中級・上級テキストとして、『「大学生」になるための日本語』、『文化へのまなざし』を使用しています。その他に、生教材・過去問・試験対策をカリキュラムに取り入れています。

 

中級授業の進め方

 学生は、初級授業では手取り足取り教師からの指導を受けることができます。そんな彼らが初めて中級のテキストを手にすると、これから習う文法の数、長い文章、たくさんの語彙を見ることになります。やる気になる学生もいれば、「もう無理!」とあきらめる学生も少なくありません。教師にとって、初級から中級への橋渡しをいかにうまく進めるかが、その後の中級・上級授業を行ううえで、とても重要です。

そうした学生をつくらないためには、単に文法の説明をするのではなく、学生の身近なシチュエーションと結びつけたり、学生同士の討論やプロジェクトワーク的な作業へと発展させたりして、学生自身が自分のことばで自分の言いたいことが言えるように指導することが大切です。そうすることで、学生の自信へとつなげていくのです。

 同じテキストでも、教師の扱い方ひとつで授業はいかようにも変化します。本校では、学生の自主性を伸ばす指導を目指しています。

 

メインテキストの指導

・『わたしの見つけた日本』

中級授業で最初に扱うテキストです。このテキストの大きな特徴は、日本に留学したときの体験が話題になっていることです。学生自身の体験も大いに語ってほしいのですが、なかなか語彙も少ないので難しいでしょう。教師と対話しながら、各課の終わりにあるスピーチや作文の材料を増やしていきます。そして、人前で話すことに怖れを感じなくなるようにトレーニングします。

・『日本への招待』

現代日本社会の多様化を中心テーマとし、その社会の構成員に光を当てた中上級教材です。ここではさまざまな資料を使って、文章の要約、図・グラフなどの分析、資料からわかったことのまとめ、自国との比較、自分の考えを表現することをトレーニングします。

・『「大学生」になるための日本語』

2年次で扱うこのテキストは、その名のとおり日本の大学を意識したテキストで、大学で勉強する「学問」に触れながら進められるようになっています。一番の特徴は、話題、場面が極めて多様であることです。とくに聴解の会話は、日本人が普段話しているとおりの生々しいもので、少々聴きづらいところもあります。しかし、リアルなニュアンスがたくさん含まれているので、こういった日本語に早く慣れさせたほうが、日本語上達の近道になるでしょう。日本に慣れている学生、日本人とアルバイトなどで話す機会の多い学生ほどいろいろなアイデアが出るので、教師はすかさずそれをとらえ、自然な日本語にしてあげることで、活発で楽しい授業にします。

・『文化へのまなざし』

大学での講義・ゼミといったアカデミックな学生生活で求められる上級レベルの日本語運用能力を獲得するためのテキストです。国際語、フリーター、生命倫理など、話題はありきたりの「答え」のないものばかりです。「日本」「わたし」というローカルな視点をできるだけ離れて、ともに考えます。
 


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by hinokigaigo | 2017-08-15 08:40 | ひのきの教育